『神の子どもたちはみな踊る』論ーー地震という角度から文献综述

 2022-09-08 12:01:31

『神の子供たちはみな踊る』論――地震という角度から

摘要:村上春樹の連作短編集『神の子供たちはみな踊る』の六編は、すべて1995年2月―阪神・淡路大震災の翌月―を舞台としている。この小説を発表した以降、文学界で様々な評論が出、多くの指摘がなされている。学者たちはこの小説について、相違の見解を持っているが、ほぼは以下の三つの角度から研究している。1、作品の背景に関する問題2、作品の内容に関する問題3、作品の主人公に関する問題。

关键词:阪神大震災、普通の人、主題

  1. 文献综述

村上の『神の子供たちはみな踊る』は神戸震災文学で非常に重要な作品である。大震災が起きた以降、日本の学者は迷っており、日本文学の方向も見失った。他の学者たちと違い、村上はかつての作品の特徴を放棄し、社会問題について、新しい文学の道を見つけた。六編小説は全部地震に関するが、直接に震災を描いているところはない。そして、村上は神戸から離れた場所に生きる普通の人の生活と性格を描き、一連の不意の出来事を書いている。しかし、この六編小説の多くの内容は地震を暗示している。村上は自分どおりの作品を通じて、地震の残酷を表している。

    1. 作品の背景に関する問題

1995年1月17日、日本の兵庫県南部でMj7.3の阪神淡路大震災が発生した。同年の3月20日、東京の地下鉄の複数路線に神経ガスが撒布された事件も起こった。この二つの事件は日本国内のみならず世界中にも衝撃を与えた。村上は神戸大震災とサリン事件に震撼されたため、地震をめぐって、6編の短編小説を創作した。この六編はすべて1995年2月、つまり大震災が起きた1月とサリン事件が起きた3月の間の空白期間を舞台としている。武岳(2013)が翻訳した《村上春树的文学迷宫》によると、村上は子供のときから、少年時代はずっと阪神に住んでいた。地震が起きた時、村上はアメリカにいっており、サリン事件が起きた時、彼は日本に帰った途中であった。傷だらけの故郷を書くのは難しいが、村上は避けるつもりはない。従って、地震が発生した5年後、『神の子供たちはみな踊る』という震災小説を発表した。

曾軍(2011)は<地震对我们意味着什么村上春树的灾难叙事>の中で、自然災害と人為テロは創作の背景としてだけでなく、当時の経済状況もこの作品に大きい影響を与えたと述べている。日本は90年代以降、深刻な経済危機に陥っている。村上は日本の経済は急激に発展からバブル経済に陥っているまでの原因を深刻に反省している。大震災は都市を廃滅させ、宗教団体は残酷に殺戮し、この二つの事件は日本社会の後退を代表した。そして、Jay Rubin(2012)の《洗耳倾听》(冯涛译)にも、90年代の日本人の生活は暗く沈んでおり、当時の日本人は裕福であったが、生活は非常に空虚であり、大地震は彼らを呼び覚まし、生活に直面させたと主張している。

    1. 作品の内容に関する問題

『神の子供たちはみな踊る』を研究した各学者はほとんどこの小説の内容と主題を分析した。尚一鸥(2009)はこの六編小説の主題について、《文学史意义的地震灾难讲述以村上春树的<神的孩子都跳舞>为中心》の中で、次のように指摘している。村上が創作したこの六編小説の中で、小村、順子と三宅は不幸であり、善也は闇に迷っており、先月から寛容の心を表し、その次、カエル君は東京を救い、最終、淳平は小夜子に結婚を申し込むことを決め、そして、幸せなおとぎ話で物語を終わり、世界は平和になった。作品の主題はますます深化しており、鬱屈した現実の画面で、積極的な内容を書いている。そして、林少华(2009)も『神の子供たちはみな踊る』の内容は消極から積極に発展していると主張している。作品の中に、空虚、憎悪、暴力等マイナスの単語があるが、自由、光明、愛などプラスの単語もある。六編小説を通じて、地震の闇から、空虚の世界から出ており、生活の方向を転換し、生き返った。

    1. 作品の主人公に関する問題

『神の子供たちはみな踊る』の主人公はすべて大震災の発生地を遠く離れた場所に生きる普通の人であり、地震の状況もテレビや新聞で読んだが、この地震は彼らの生活の転換点であった。任如璇(2012)は『神の子供たちはみな踊る』の独特は主人公は地震の直接な被害者ではなく、地震で生活を影響され、心を震撼された普通の人だということであると述べている。個別的な被害者は集団的な災難を代表し、単純な震災文学より更に深刻である。そして、曾軍(2011)も主人公について、<地震对我们意味着什么村上春树的灾难叙事>の中で、次のように指摘している。『神の子供たちはみな踊る』の主題は「地震は我々にとって、どんなことでしょうか?」ということである。この小説の主人公は地震であり、小村、三宅、善也などはただ“我々”の中での一員であり、つまり、小村たちは日本人の皆様の代表である。小村たちと地震の関係は日本人と地震の関係を代表している。地震は小村たちに深刻な影響を与え、即ち地震は日本人に衝撃を与えた。そして、小村たちを通じて、日本人が地震に遭った時、どのように対処するべきだのを主張している。村上は主人公は普通で、地震に直接に遭わなかった人であるが、地震は彼らの生活に深刻な影響を与えたという内容を通じて、地震はすべての日本人にとって、大きい影響があると暗示している。

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